021.萌えるもの、萎えるモノ


④現象、行為

 オトコにとって「射精」という現象はひどく魅力的です。あの快感が強烈すぎて、世の中の男子は性犯罪に走ったりするわけです。

 僕は自分で射精することは、そりゃあ大好きですけど、AVや写真なんかで(それなりのイケメンが)射精している瞬間を見るのもとっても興奮します。

射精する健太郎と春菜
健太郎と春菜

 男性の射精という現象は、性的に興奮し始めて、どんどん盛り上がって、ある一線を越えると引き返せなくなる、という特徴があります。ここまできたら、もう精液を飛ばすしかない、という自分でコントロールができなくなる臨界点があるのです。

 例えば不本意に刺激されて、イきたくもないのに射精してしまう、ということも男性には大いに起こりうるわけです。

 

 これって、ちょっとMっぽくないですか?

 

 たぶん、男は拘束されて、何らかの方法でペニスを刺激され続ければ簡単に射精してしまいます。ご存じの通り、射精後には決まって無力感、寂寥感、空虚感が訪れます(この時間を『賢者タイム』と呼んだりします)。とすれば不本意な射精の場合、例えば命の危険にさらされながら、とか、見たくないモノを見せられながらイかされた時、その後の気分の落ち込み方は想像に余りあります。

 やっぱり射精の快感は、大好きな人と交わったり、素敵なことを妄想したりしながら享受したいものです。

 

 あ、ちなみに僕は『女性の射精』とも呼ばれる『潮吹き』には全く興味がありません。

 

顔射・髪射

 女性の顔や髪に精液をぶっかける行為。男の征服欲全開のシチュエーション――なんだそうですねえ……。

 

口内射精

真雪の口に発射する龍
龍と真雪

 AV(アダルトビデオ)で多用されるフィニッシュのシチュエーション。僕は、それまでどんなにイケメンと美女がしなやかに絡み合い、熱く愛し合い、盛り上がっても、最後に女性の口に発射されるシーンを見せられると、とたんに萎えてしまいます。

 あんな生ぬるくて青臭い精液を口の中に放出されるなんて、女性にとっては拷問じゃないですか? 僕が実際そういうことになったら、めちゃめちゃ後悔しそうです。ただ、ネット友だちの女性に訊いたところ、顔射は無理だけど、口の中に出されるのはあまり抵抗がないという意外な答えが……。顔射は『汚(けが)される』感じ、口内射精は好きな人のものを『受け止める』感じ、なんだそうです(ただ出されたモノを「飲みこむ」のは無理だと仰ってました)。

 そういうわけでもないんですが、僕の小説中ではケンジ、健太郎、龍の主役級の三人は相手の口に出すのを極度に嫌っています(一番の理由は大量に放出するから)。でも、そのパートナーたちはあまり抵抗がなく、それどころか龍のパートナー真雪に至っては、積極的にそれを欲しがる女性です。

 

 ★真雪の場合は、かつての忌まわしい不倫行為で相手の板東に中出しされたり口内射精されたりした経験があまりに強烈で拒絶感が強かったため、愛する龍の精液に逆に過剰な執着を持っているという特殊な事情があるんですけどね。

腹射・胸射・尻射

夏輝の胸に発射する修平
夏輝と修平

 女性の身体にぶっかけるのは逆に萌えます。これも女性を辱める行為に違いないのですが、まだ女性側に余裕がありそうじゃないですか。首から上、というのは、やっぱり相手に対して申し訳なくて……。

 

 仰向けに寝ている女性(や男性)の胸や腹にかける、うつぶせの相手の背中やヒップに発射するなんてのは比較的オーソドックス。あるサイトではぴったりしたボディスーツや水着にかける画が多く公開されてたりします。黒や赤などの濃い色のコスチュームに放たれた画は、精液そのものが白いので、より凌辱感がアップします。

 また、上の画のように、起きた状態で胸に発射すると、肌を伝って流れ落ちる。これもなかなかに萌えるシチュエーションです。

 キスは大好きです。見るのもするのも。 さらに相手が女性だろうと男性だろうと。

マユミとケネスのキス
マユミとケネス

 

 キスというのは、女性にとっては相手のことが好きでなければできない行為ですから、男にとってキスすることができる相手はある意味自分に好意を持っているという証左にもなります(水商売かよほどインランな女性でない限りそうでしょう?)。

 

 残念ながらオトコはそうではありません。相手のことが特段好きでなくても、性的興奮を高めるために簡単にキスができます。

 

 このギャップが時として女性を苦しめるわけですけど……。

 

 身体を重ね合って愛し合う時に、お互いへの愛情を確かめ合う意味でキスをする、という言ってみれば極めてオーソドックスな流れがなんだかんだ言っても僕は好きです。だから僕の小説の中ではキスシーンがとっても多い。

 キスにもいろんな種類があって、それぞれのシチュエーションによってやることも違います。

 そのいろんなスタイルのキスシーンを描き分けることで、その時の二人の心理状態を表現するということを、僕は小説の中で実は念入りにやっているつもりです。なかなか上手にできませんけどね。

 

 

→エッセイ『04.キス』もどうぞ。


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