021.萌えるもの、萎えるモノ


⑥コトバ

 小説の中で、キャラクターたちが口にする言葉の中に、僕の『ツボ』がいくつかあります。このペジではキャラ同士の温かな関係や熱い関わりを感じさせるそういった言葉を集めました。

『ねえねえ』

 これは、小説中で龍がパートナーの真雪に呼びかける時に時々口にする言葉です。

 

 『Chocolate Time』のレギュラーの中で、男性が年下のカップルは2組。ケンジとミカ、そしてこの龍と真雪

 ケンジはミカより2歳年下、龍は真雪よりも4歳年下です。

 龍と真雪がつきあい始めたのが高三と中二。結婚したのは真雪25歳、龍21歳。元々この二人はいとこ同士ですから、龍が生まれた時からのつきあいがあります。そして、彼が少年期の間は、真雪のことを『マユ姉ちゃん』と呼んで慕っていました。

 そういった過去がある関係で、龍は結婚後も真雪に甘える場面がちらちらと見えるわけです。この『ねえねえ』という呼びかけも龍が真雪に甘える感じがして、かなりかわいく、素敵です。他の男性キャラ、ケンジケネス健太郎修平はこの言葉を使うことは一切ありません。龍ならではの萌え言葉です。

真雪と龍
真雪と龍

 また、龍は年上の真雪に「ごめんなさい」もよく使います。やっぱりこれも他の男性キャラはまず口にすることはありません。

『しゅうちゃん』

 これは真雪が双子の兄健太郎の親友である天道 修平を呼ぶ時の言葉。表記がひらがなであることも重要なポイントです。

 

 健太郎と修平は中一以来の大親友同士。だから自ずと真雪も修平とはよく会い、話をする仲になります。中学生というまだ子供の時期に親しみを込めて呼ぶ『――ちゃん』という言葉を真雪が修平に対して使ったのが、そのまま大人になっても続いているというところに、なんか親しみ以上のほほえましさを感じるわけです。

 修平はかなりやんちゃなキャラですから、こういう軽めのノリで呼ばれるのもなかなかに似合っていると思います。

修平と真雪
修平と真雪

『マユ~』

 『Chocolate Time』に登場する双子は男女の組み合わせ。どちらが先に生まれたというわけでもありませんが、男の子が兄、女の子が妹という位置づけで育ちます。

 

 初代の双子の兄妹はケンジマユミ

 第二世代は健太郎(けんたろう)真雪(まゆき)

 そして第三世代は健吾(けんご)真唯(まゆい)です。

 

 この三組の双子たちはいずれも兄が妹を『マユ』、妹は兄のことを『ケン兄』と呼び合います。

 この兄が妹の名を口にする時、気弱になっていたり、妹の言葉や態度にきゅんとなったりすると語尾が伸びて弱々しく『マユー』となるのです。

 この呼び方、特に恋人同士だったマユミとケンジのシーンに結構登場しますが、この時のケンジの様子が愛しくて何ともかわいいのです。

マユミとケンジ
マユミとケンジ

『出る』

 男性がエッチの時、射精の瞬間に口にする言葉。

 その瞬間に思わず言ってしまう言葉の代表は『イく』ですが、『イく』と『出る』の違いは、気分と現象の違い。性的興奮が極限まで高まって弾ける「気分」が『イく』、臨界点に達した結果、ペニスから精液が迸る「現象」が『出る』。

 さらに『出る』という言葉には、自分でコントロールできない要素もやや強調されて含まれているような気がします。例えば、

  • まだイきたくないのに出てしまう
  • 最高に熱くなって、もう我慢できずに出てしまう

のように。

 もう後に引けない状態になった時は、意識的にペニスの筋肉を収縮させたり弛緩させたりすることができなくなるので、他動詞の『出す』ではなく自動詞の『出る』となるわけですね。

 こういうシチュエーションを思わせて、『出る』という言葉には少々M気味の雰囲気さえ感じます。

 ちなみに小説中で龍が『出ちゃう』、修平が『出ちまう』、ケネスが『出てまう』と叫ぶのもこのヴァリエーション。

真雪と龍
真雪と龍

『チン○』『まん○』

 巷で普通に使われる性器の日本語表記ですが、僕は萎えます。僕の小説内では『ペニス』『谷間』と言い換えています。読む人の感覚の問題なのでしょうけど、僕個人はこちらの方が露骨さが少なく、不必要ないやらしさを感じさせないと思っているからです。

『メ○豚』『肉○器』『ビッチ』『性処理奴隷』

 女性を卑下した言葉は現実ではもちろん、小説の中でも使う気になれません。


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